マイ・オピニオン
看護婦個人も責任をとる体制を
山内 香住
1
1神戸市立中央市民病院
pp.1249
発行日 1978年12月1日
Published Date 1978/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918555
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当院でチームナーシングを採用したのは,昭和40年ごろからであったが,改革を重ねるなかで院内に普及し,スムーズな運営がなされるようになったのは,ここ数年のことである.チームナーシングの解釈があいまいなころは,チームリーダーやメンバーの機能に問題があったり,カンファレンスの持ち方や業務の割り当てなどもまずかったのは,当院とて例外ではなかった,院内の勉強がすすむにつれ,気がかりになってきたことは“患者中心の看護”を口にしながら,カンファレンスでも引き継ぎにおいても‘医師の指示により……’という言葉が頻繁に使われることであった.
医療のリーダーは医師であり,診断治療は医師の責任においてなされる.では看護はどうなのか? 看護婦の役割・責任はどこにあるのか? と考えると,この言葉を裏返してみれば医師の責任で看護婦にはほとんど責任がないということにもなる.看護婦が専門職であるといえるために何に対して責任をもつのかと,いつも悩んでいることであった,こうした時,脳外科病棟ではチームナーシングに入院から退院まで継続した受け持ち制を併用する体制の研究を始めた.
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