ホームヘルパー跳びある記・3
‘福祉’の免罪符?
松田 万知代
1
1藤沢市役所・老人生きがい課
pp.773
発行日 1978年7月1日
Published Date 1978/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918450
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家庭奉仕員制度が制定されて今年で15年になりました.振り返ってみれば,一昔前まで,福祉の対象者といえば‘生活困窮者’とか‘要救護者’とか呼ばれ,その救済としては上(役所)からの一方的な施策であり,受け手は個人としての価値や主体性,積極性など何も持ち合わせていなかったようです.福祉サービスの与え手と受け手の関係は上下関係としてあり,福祉の対象は貧しい人や下層階級がほとんどであり,それは‘特殊な人たち’と思われていました.
しかし,ここ10数年来の急激な国民生活の変化に対応するため,種々の制度・対策が整備充実され,老人たち自身も‘要保護者’から福祉サービスの‘利用者’として目覚めてきたのですが,その‘利用者’である老人たちは,してもらえること,与えられることを待ち,注文したり文句を言ったりするようになりました.
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