内視鏡検査と介助の実際・10
内視鏡検査と伝染病予防対策
小黒 八七郎
1
1国立がんセンター内科
pp.1053-1056
発行日 1977年10月1日
Published Date 1977/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918242
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はじめに
我が国において内視鏡検査時に問題となる主な伝染病には,結核,梅毒そしてB型肝炎があげられる.内視鏡検査はファイバースコープや生検鉗子などを生体内に挿入して行うため,患者から次の患者,患者から内視鏡職員,そしてその逆の経路の病原体の伝染が考えられる.特に粘膜を損傷する生検時に問題が考えられる.
したがって,これらの内視鏡器械は,検査の度ごとに十分な消毒をしなければならない.一方,内視鏡器械はファイバー,被覆ビニールやその他の精密機械,光学部品および電気部品などから構成されているため,一般の金属やガラス器具のように高熱滅菌や強力な消毒薬剤による消毒は不可能である.
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