特集 なぜ看護者に個人の机はないのか
空間への自由の尊重として
岡本 富郎
1
1白梅学園短期大学保育科
pp.555-559
発行日 1977年6月1日
Published Date 1977/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918162
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はじめに
現在,保育者の養成に携わっている私は,学生の就職先で看護者に会うことがある.同じ対象児を看護者と保育者とで,看護し,保育することの中には様々な困難があるようだ.看護者は,対象児を1人の人間とみながらも,その仕事のウエイトは治療の方にある.他方保育者の仕事は,対象児の全体的発達にそのウエイトがある.両者の仕事は切り離せないものであると分かってはいながら,なかなかうまくいかないことがあるようだ.
こうしたことの原因は,まずはそれぞれの養成課程での教育にある.そしてまた,両者ともに,対象児を丸ごと1人の1人間としてとらえきれない,理論的な不備にもその原因をたどることができよう.
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