マイ・オピニオン
‘看護とは’と問われるなかで思うこと
西山 和子
1
1国立高知病院付属看護学校
pp.13
発行日 1977年1月1日
Published Date 1977/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918052
- 有料閲覧
- 文献概要
今日‘医療とは何か’という論議よりも,むしろ‘医療とはいかにあるべきか’という論議がなされているなかで,看護はいまだに‘看護とは’とか‘看護は専門職たりえるか’とかの社会的位置づけへの努力にとどまっている.これは,医療のなかでの看護の立ち遅れを意味しているのではないかといわれているが,つい最近まで生と死が交錯し流動的な人間現象の展開される現場の中で,病む人の悩みとそれを確かに受けとめ得ない自分の無力さに押しつぶされそうな経験をしていた者として,つくづくとその意味の深さと重要さを考えさせられている毎日である.
看護業務を考える時,確かにある一面では進歩発達した医学技術の実践の中でどの部分を分担するのかとか,あるいは患者の生の臨床経過の情報を医師に報告するとか,その他多くの医師のサブシステム業務に忙殺される現状のなかに我々はある.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.