くすりの毒性・12
LSD Psychedelics
高橋 日出彦
1
1東京医科大学生理学科
pp.1279
発行日 1976年12月1日
Published Date 1976/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918041
- 有料閲覧
- 文献概要
LSD(Lysergic acid diethylamide)は,1938年にStollとHofmannにより合成されましたが,その作用は長い間不明でした.HofmannはLSDの中枢神経刺激作用に興味をもち,動物実験を企てました.しかし,その成績はかんばしいものではありませんでした.ところが実験中たまたま口に入ったLSDが彼自身に作用し,後にLSDの向精神作用として明らかになる種々の症状,とりわけ幻視などに襲われたのです.こうして1943年,新合成幻覚剤(hallucinogen)が誕生することになりました.
LSDの作用が報告されるや,多くの人々がこれを使用し始めました,どんな危険が待ちかまえているかも分らぬままに,LSDの常用者は燎原の火のようにアメリカ大陸,ヨーロッパに広がっていきました.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.