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Cohen (Science 155: 1417, 1967)ら以来LSDで染色体に異常のおこりうることが知られてきたが,Co—urt Brown (Lancet 2: 1154, 1967)は対照をおいて,染色体変化を明確化すべきであるといわれている。著者らは6〜38ヵ月間に2200〜17500μg LSDを連用した5例(29〜48歳)で,最後の使用から6〜38ヵ月後に,白血球培養(48〜72時間)で,染色体変化をしらべた、まず染色体の一部がdislocationなしに消失したのをgap,対をなす染色体の1個にdislocatlon発生をbreakと明らかに定義して精査,第1例はgap 21.9%,breakゼロ,hyperdiploid 4.1%,第2例はそれぞれ16.1,3.5,ゼロ。第3例20.6,6.9,1.7。第4例12.9,ゼロ,3.5。第5例10.5,ビロ,ゼロ。以上平均しgap 15.9%,break 1.79%,hyperdiploid 2.0%であるが,18〜39歳男子健康10例では,それぞれ10.2%,0.3%,ゼロ。40〜59歳男子健康10例では9.3%,0.3%,ゼロ。17〜39歳健康女子10例では11.3%,0.8%,0.3%,20〜39歳健康女子10例では5.5%,ゼロ,ゼロ。それぞれ統計学的に処理し,LSD群に有意に好発している。hyperdiploidというのは第1例(♂)endoreduplicationをもつ2個の細胞,46,XY。第2例(♂)47,XY,G+,第3例(♂)47,XY,r+,第4例(♀)47,XX,第5例(♂)48,XX,C+。年齢別,男女の対照間には有意差なし。gap,breakがこのように有意に多いと発癌が予想されるが,LSDと癌との関係は明かにされていない。いずれにしてもLSDは危険である。
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