くすりの毒性・6
スルホンアミド—薬物の相互作用
高橋 日出彦
1
1東京医科大学生理学科
pp.613
発行日 1976年6月1日
Published Date 1976/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917901
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東京凡太が薬でいっぱいの唐草模様の大風呂敷を背負って,病院の門前で倒れたまま息をひきとるというマンガが,もう出たかどうかは知りませんが,そんなマンガが書かれてもおかしくない今日このごろです.
毒性学者としては,あんなに種々の薬を患者に与える場合,果たして薬物の相互作用の問題について十分な配慮がはらわれているのか,という疑惑を抱かざるを得ません.薬物の相互作用に対する動物実験は次第に豊かな知見を提供しているとはいえ,この領域の研究者の頭脳は,一部の日本の臨床医の算術から生まれた多彩なファンタジーにはとてもかなわない,というのが実相ではないでしょうか.
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