ベッドサイドの看護
慢性関節リウマチ(上下肢拘縮のある)患者の自立への援助
豊巻 邦子
1
,
水谷 弘子
1
,
中山 スミ子
2
1国立弟子屈病院難病病棟
2国立弟子屈病院
pp.592-595
発行日 1976年6月1日
Published Date 1976/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917896
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はじめに
当院は,昭和49年7月より悪性関節リウマチを主とする難病病床が開設され,治療・看護に当たっている.入院する患者のほとんどは,整骨,鍼,灸等の治療や,また何らかの形で転医を繰り返し,ADLや筋力保持への配慮もなされず,変形や拘縮が著明な者も多い.このような患者の看護においては,どのようにして日常生活に近づけるか,また患者自身に闘病への積極的態度をいかに持たせるかということが重要なテーマとなる.
ここにあげる患者は,家族による全面的介助を長年受け,依存心が強く,自発性もなく,拘縮や筋の廃用萎縮が強い状態であったが,入院と同時に付添いを廃し,簡単な1つ1つの動作に対する援助を続けていくうちに,動作が自分でできるようになり,徐々に生活範囲が拡大した.一方温泉療法の併用により,今までのあきらめの念や悲観的生き方を打破し,自立への意欲もわいてきて,1年後には,自力歩行にまで到達できた.ここにその経過を述べ,どのように対処してきたかを報告し,ご批判を仰ぎたい.
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