グラフ
難病の夫とともに生きる—多発性硬化症のYさんを訪問して
編集部
pp.438-443
発行日 1976年5月1日
Published Date 1976/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917867
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2月のある日 保健婦さんに同行して 武蔵野の面影が残るT市の静かな住宅地にあるYさんの家を訪問した.
Yさん 43歳男性 奥さん(43歳)と息子さん(高校2年生)の3人家族で 都営住宅(木造平屋建て)に住んでいる.病名は‘多発性硬化症’.昭和42年ごろ発病発熱・しびれ・頭痛 首と下肢に神経痛様の痛み しゃっくりがとまらないなどのさまざまな自覚症状があった.45年には小水が出にくい 足を引きずるなどの症状が加わり 46年初めには視力低下 6月には下肢に激しい痛みがあり 歩けない 失禁する 1日中うとうと眠りがちになる 一時的な言語障害などがあり 全身状態が悪化したので某病院整形外科に入院 脊髄腫瘍の疑いがあると言われ 紹介されてT大学病院へ転人院 検査の結果‘多発性硬化症’と診断された.
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