にっぽんふうぞく裁断
フィーリング文化考
亀谷 悟郎
pp.114-115
発行日 1970年12月1日
Published Date 1970/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917709
- 有料閲覧
- 文献概要
若ものにピッタリのことば
フリー・フィーリング・フリーセックスということを歌いはじめたジャーナリズムがあった。ことしの秋のファッション界・雑誌ジャーナリズム界,とくに若ものの世界に媚を売らんとするメディア,その心をとらえようとするメーカーにとっては,「フィーリング」という“ことば”は,金科玉条。いたって大切な,魔術的なことばである。
このフィーリングということばに対応する感覚を大切にし,若ものたちの心をとらえる世界を小説化し,スター作家になったのは五木寛之である。しかし,彼は,そういった感覚を小説世界の内容としたが,このことばを流行させたわけではない。
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.