視座
専門医考
湏藤 啓広
1
1三重大学大学院医学系研究科運動器外科学
pp.877-878
発行日 2010年10月25日
Published Date 2010/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101811
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専門医制度が新たな段階に踏み出そうとしている.専門医とは「5年間以上の専門研修を受け,資格審査ならびに専門医試験に合格して,学会等によって認定された医師である」と日本専門医制評価・認定機構では定義している.日本専門医制評価・認定機構とは,学会相互間の協力と連携・交流を図り,社会に信頼される専門医制度の確立,専門医の育成,認定およびその生涯教育などを行うことを通じて,医療の質の向上をめざすことを目的として,2008年3月に社団法人化された組織である.同機構に加盟している学会は75を数え,基本領域の学会,subspecialtyの学会,多領域に横断的に関連する学会などに分類されている.基本領域の学会は,日本内科学会,日本外科学会,日本整形外科学会など18学会から構成され,subspecialtyの学会は日本消化器病学会,日本胸部外科学会,日本リウマチ学会など26学会から構成されている.
機構内部の「専門医あり方委員会」で討議された専門医制度基本設計によると,基本領域の専門医(基盤専門医)と専門分化した診療領域別(subspecialty)専門医を養成することが提言されている.基本領域の専門医とは基本領域の学会とlinkしている専門医であり,整形外科専門医がこれに相当する.2010年7月1日現在,日本整形外科学会会員数は22,840名であり,整形外科専門医は16,889名(2009年11月現在)である.会員の約74%が専門医であるという計算になる.一方,診療領域別専門医とは整形外科関連では日本手外科学会専門医,日本リウマチ学会専門医,日本脊椎脊髄病学会指導医などがこれに相当する.
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