連載 amans惠道通信・3
現場考
飯島 惠道
1
1東昌寺
pp.240-241
発行日 2001年3月10日
Published Date 2001/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901390
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●工事現場に学ぶ
病院に就職して二年目の頃から,当時勤めていた病院は工事の連続だった。ドック・検診センター新築に始まり,それが終わったかと思ったら,今度は新病棟の増築と旧病棟の改築工事。1995年の新病棟開設までの約二年間,病院は医療現場であると同時に工事現場でもあったのだ。
そのとき,わたしは訪問看護部門で働いており,訪問看護室の窓からは工事現場の様子が手にとるように見えた。パワーショベル等の建設機械を至近距離で見るのも生まれてはじめてだった。まず整地して,金属の棒のようなものを打ち込み,木で枠組みを作ってからセメントを流し込む。同時に配線工事なども進んでいく。外枠が出来上がると今度は内装の作業。建設工事というものがどのように進んでいくか,その一部始終を見ることができた。とは言っても,工事現場を眺めていたのは昼休みの時とか,一日の訪問を終えた後であり,仕事もせずに窓の外を眺めてばかりいたわけではない。ちゃんと仕事はしていた(はず)。その工事現場の事務をしていた女性は,同僚の同級生。同僚を通じて彼女と知り合い,何度か挨拶を交わすうちに友人となり,仕事が早く終わった時などは,しばしば夕食をともにした。
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