特集 ゆれ動く“制度”—准看護婦問題を中心に
看護制度のゆくえ—准看問題に視点をすえて
南条 薫
pp.10-16
発行日 1970年11月1日
Published Date 1970/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917650
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はじめに
太平洋戦争終結により,日本の看護制度はGHQのキモ入りとはいえ,保助看法を制定し,社会的,法的な位置づけをした。それから22年,日本も平和国家,文化国家という看板のもとで経済大国にのし上がった。しかし,1970年はいろいろな意味で反省段階に入ったといえよう。
最近,憲法第25条の真価を問われるような現象に触れるにつけ,看護婦のひとりとして,国民の生存権や国の社会保障制度がこんなにゆがめられては困る,何とかならないのか,と頭をかかえこんでしまうことが多い。今ここに編集部から「看護制度のゆくえ」というテーマを与えられたのを機会に,戦後の新看護路線の大半を歩いてきた者として,自己反省を含めて看護制度の20余年をふり返り,問題をみきわめてみたいと思う。
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