読者からの手紙
腰をすえて"働きやすい職場"に
坂本 祥子
pp.9
発行日 1963年5月10日
Published Date 1963/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202825
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どんな本を読む時も,なんの本を読む時もそうであるが,私は巻頭にある文章,いわゆる"扉のことば"が大好きである.なにはともあれ手にして真先に目を通すのはこれだ.おえらい先生方が書かれたのもいい.が唯一の私たちの雑誌である本書に"読者からの手紙"それに"編集者から読者へ"なんといいアイディアだろうと思わずうれしくなる.自分たちの雑誌を自分たちのものにするために遭遇している問題を提起し,考え語り合い,周囲への理解を深めていくために,こんなにたいせつで勉強になることが,そして働く仲間の,また読者と編集者の心のかよう結びつきが他にあるだろうか.うんとデッカイ理想でも,足もとの小さなできごとでもなんの束縛もない自由奔放な意見を,一人でも多くの読者が出すことがどんなにか必要なことだろう.全国をつなぐ語らいの場として生かすことをこの機会に強く希望する.
先頃,医療制度調査会の答申が出された.医療関係従事者にも,これを受ける側にも,医療の福祉増進はいうまでもないが,なかでも教育制度は,よくよく考えられなければならない.国庫補助のもとに地方自治体で予算を組まれた奨学資金制度は一歩前進である.がしかしそれだけで本当に人が増えみんなの希望が満たされるのであろうか.せっかく保健婦になってもやめていく人は多い.出ていく理由はいろいろあるであろう.
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