特集 看護者自身の中の准看制度
我が内なる准看制度—私の准看時代を想起して
三枝 美樹夫
1
1国立武蔵療養所
pp.1152-1155
発行日 1980年11月1日
Published Date 1980/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919085
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教室は眼る場に
‘高卒なら准看よりも全日制の高看に行った方がいいのでは……’と言う周囲のアドバイスを気にも止めないで,私は准看護学院へ入学した.それは准看護学院というところが働きながら学べ,しかも資格を得られることで,ある程度の生活費が必要だった私にとって,働くことをベースにすることが絶対条件であったからである.そうして准看の看護制度の中に置かれている意味とか,それから派生する諸問題について事前に何の把握もせず,漠然とした気持ちで准看護学院の門をくぐった.
私が勤務する病院から車で30分ほど離れた街の中心地に所在する准看護学院は,医師会付属のモダンな建て物であった.1学年の生徒は男子7名を含む80余名で2クラスに分かれ,中卒が半数強,高卒のストレートが残りの2/3,残りは社会経験をしてきた人で構成され,年齢は15歳から40歳くらいまでと幅広かった.
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