特集 医療過誤を防ごう
具体的なケースにみる医療過誤—過失をくり返さぬために
高田 利広
pp.22-25
発行日 1969年5月1日
Published Date 1969/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917586
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事例1 薬品名の未確認
病院勤務の内科医は,昭和33年9月2日午後2時30分頃同病院内科外来診療室において,外来患者(当時23歳)を診療し,じん麻疹と診断した。そこで,抗ヒスタミン剤である薬品名通称ベナカルの静脈注射を行なうことにし,診療録にベナカル静脈注射と記載して隣室の准看護婦に指示した。
准看護婦は,この指示にもとづき,薬局より届けられていた同処置室薬棚のベナカル3Aと表示された紙箱の中より,アンプル1本を取り出し,即時患者の右関節部静脈に注射したところ急死してしまった。
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