医学と看護11月のテーマ
くも膜下出血の看護
糟谷 八千代
1
,
桜井 幸江
1
,
岩井 節子
1
1名古屋大学医学部付属病院内科
pp.58-61
発行日 1967年11月1日
Published Date 1967/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917454
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はじめに
わが国の死亡者数の統計によれば,中枢神経系の血管損傷は死因順位の第1位をしめ,昭和26年には20.7%,昭和36年は22.4%,昭和40年は24.6%と年々増加の一途をたどっている。そのうちでくも膜下出血は比較的若年者にもみられる疾患で脳血管障害の中でもかなり特異的なものである。
最近は脳血管撮影の進歩により,おもな原因である動脈瘤の診断も確立することができるようになり,外科的治療も可能となって,比較的佳良な経過をたどるようになってきた。くも膜下出血の発作をおこした時の症状はかなり激烈であり,患者の苦痛も著しく,経過中しばしば再発をおこしやすい。したがって臨床経過に対し看護上の影響が大きく,薬物治療と共に看護の重要性が求められる。ここでは看護の要点と注意すべき問題点を中心に述べてみる。
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