特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
VII.神経糸
6.脳血管障害の診かた,考え方
くも膜下出血
高橋 和郎
1
1鳥取大脳幹研
pp.1270-1272
発行日 1972年7月5日
Published Date 1972/7/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204279
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
くも膜下出血とは
くも膜下出血とは,脳表面の血管の破綻によりくも膜下腔に出血をきたすことである.原因としては,動脈瘤が最も多く,このようなものを原発性くも膜下出血と呼ぶ.これに対し,出血性素因,脳腫瘍,血管奇型(血管腫),脳出血,梅毒性血管炎などで脳実質内に出血をきたし,それが脳室あるいは脳表面に破れて,くも膜下腔におよぶ場合は,続発性くも膜下出血と呼ぶ.一般にくも膜下出血といわれるものは出血が,主としてくも膜下腔にあるもの,すなわち,原発性くも膜下出血,あるいは血管腫などで主としてくも膜下腔に出血するものを指す.ここではこれらの場合につきその診断の要点を述べる.
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.