看護の潮 現代医療の展開と看護
私の仕事とナースへの注文
病室での生活が真の訓練の場—理学療法士の立場から
長谷川 元
1
1関東労災病院
pp.42-44
発行日 1967年11月1日
Published Date 1967/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917450
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医療チームの新しいメンバーとして
日本の医学は大変高い水準にあるが,一方医療はたち遅れているといわれてきた。それは,従来の医療が,健康障害の回復のために行なわれた技術ではあるが,障害そのものについてのみの治療に片寄り,人間の全機能ということをあまり考慮にいれていなかったからであろう。しかし,最近医療の新しい概念が生まれて「包括的または総合的な保障医療」が正しい医療の姿であるとされ,それは各種の専門職によるチーム・ワークで行なわれることが明確化された。このようななかで特に後退した機能の回復のために,また社会復帰のためのリハビリテーション医療に対する関心が高まってきたことは,医療を近代化する上にその意義は大きいと思う。
医学的リハビリテーションは,予防医学・治療医学に次ぐ第3の医学で,障害者の身体的・精神的・社会的・職業的,あるいはさらに経済的な意味をも含めて可能な限り回復を図ることである,と定義されている。以上のことから一人の障害者の能力を最高度に発揮させるためには多くの人びとの協力が必要であり,これに関連する職種の集まりをリハビリテーションチームという。
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