看護の潮 現代医療の展開と看護
私の仕事とナースへの注文
優秀な写真を作るために協力を—レントゲン技師の立場から
竹下 亨
1
1自衛隊中央病院診療エックス線技師養成所
pp.45-47
発行日 1967年11月1日
Published Date 1967/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917451
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医学におけるX線の役割り
昔,中国に一人の名医がいて,不治の病といわれる難病も的確な診断と適切な治療によりなおすことができたという古い話があります。彼がこのように正確な診断ができたのは,ある楓科の植物(ギバ)の葉があったからで,この葉を患者のからだに当てると,その部位の内臓を透して見ることができたということです。
この話にある如く,臨床医学においては,人体内諸臓器を解剖することなく観察できたならば,患者に対する診断は正確無比なものとなり,ナポレオンの“不可能”という文字と同様に“誤診”という文字も辞書にはなかったと思われます。したがって医学にたずさわる人はもちろんのこと,一般の人びともこのような事柄が可能になることを願望すると同時に,この実現に努力してきたのですが,その願望への道標を発見した人がドイツの物理学者ウイルヘルム・コンラード・レントゲン(Wilhelm Konrad Roentgen)教授です。
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