看護の潮 現代医療の展開と看護
私の仕事とナースへの注文
病歴提出に積極的な協力を—病歴士の立場から
郡 勝
1
1国立東京第一病院
pp.40-41
発行日 1967年11月1日
Published Date 1967/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917449
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はじめに
戦後大幅に強化改変された業務のうちに,看護婦の業務がある。現在では立派に体系づけられた社会の重要業務で,けっして安易なものでない。このきびしい仕事に対応するため,看護婦は広く研究を重ねなければならない。その一つに病歴という問題がある。そこで病歴整理順序と,医師,看護婦および病歴士の関係を述べて,多少なりとも看護婦の研究と業務の資としたい。
病歴の起原は遠く「ヒポクラッテス」の昔からという人もあるが,信疑はともかく,医業が始まると,あとを追って病歴が必要となり,ついで看護記録も追加され,現在では,医師の書く記録と,看護婦の記録とあわせて病歴と見なされた。これを一堂に集めて,一貫した規定のもとに整理保管する病歴士が現われたのは,わが国では戦後のことで,欧米に比べると20〜30年ぐらいの立ち遅れがある。
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