特別レポート
ペイン・クリニックの看護(2)
清原 迪夫
1
,
佐藤 よし子
1
1東大麻酔科外来
pp.47-52
発行日 1965年8月1日
Published Date 1965/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917416
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各論として
はじめに
前号には,一般的なペインクリニックの看護について概略を記したが,ここでは個々の神経ブロックについて主なものをとりあげて記してみる。ここに記さないものについてもほぼ,これに準じて行なえばよい。
神経ブロックは,主に治療の目的に用いられるが,診断を確定するためにも広く用いられる。現在われわれが行なっている神経ブロックの種類は20種以上にわたり,疾患の部位や性質にしたがって適当するものが選ばれる。例えば,頭痛には後頭神経ブロック,星状神経節ブロックが,三叉神経痛には三叉神経ブロックが,肩胛押上肢痛には肩胛上神経ブロック,星状神経節ブロックが,胸腹部痛には助間神経ブロック,星状神経節ブロック,傍脊髄神経ブロック,硬膜外神経ブロック,蜘蛛膜下神経ブロックが,腰背痛には胸腹部の方法の中星状神経節ブロックを除き,仙骨神経ブロック,会陰神経ブロック,腹腔神経叢ブロック,腰部交感神経節ブッロクが加わり下肢痛もほぼ腰仙部から下肢を神経支配する脊髄部の高さで種々の方法が用いられる。この他,関節痛には関節腔内注射,局所痛には局麻剤の局所注射が用いられ,ブロックばかりでなく,内服薬としても中枢神経作用剤をはじめ,鎮痛剤を合併症,原因疾患に対する治療もあわせて行なうことはいうまでもない。現在までに麻薬性鎮痛剤や日常用いられる鎮痛剤の注射は,1度も用いたことがなく,これは十分注意していただきたい。
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