褥瘡の病理・予防・治療・8
手術的療法について
木村 哲彦
1
1国立身体障害センター整形外科外来
pp.921-924
発行日 1975年9月1日
Published Date 1975/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917331
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褥瘡の手術は,それを担当する医師にとっても,看護婦にとってもあまり気の進まない部類に属するといってもよい.なぜならば,他の外科的手術と比較し,一般的に手術創の治癒率は低く,70-80%が正常な経過で治癒するにすぎず,担当する医師の技量がいかに卓越していようとも90%を超えることは考え難い.
そのため抜糸1-2週間後に創の治癒が確認されるまでは,それにかかわったスタッフ全員気掛かりな毎日を過ごさねばならない.成功したときは患者さんともども喜び合えるが,その後も再発しないとはだれも保障してくれるわけではなく,筆者もできることならば手術をしたくないと思っている者の1人である.しかし客観的にみて,そうもいってはいられず,しかたなく手術に踏み切ることが多い.
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