今月の主題 痛みとその対策
鎮痛療法の適応と効果
手術的療法
吉井 信夫
1,2
1東邦大第2外科
2東邦大脳神経外科
pp.646-648
発行日 1976年5月10日
Published Date 1976/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206560
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痛みに対する手術的療法を大別すると,①末梢神経での痛覚伝導遮断,②脊髄から中脳視床に至るまでの痛みの伝導路の遮断,③痛みの認知中枢である視床への侵襲,④視床より大脳皮質に至る間,すなわち大脳皮質または皮質下線維の切除,または切断,⑤その他の5つになる.このうち①は神経の重複支配のため,1本の末梢神経が必ずしも有効でないこと,痛み以外の知覚の消失や運動麻痺を生ずるのであまり用いられない.ただ,三叉神経のごとく,知覚と運動線維が分離できるものには用いられる.④のうち,大脳皮質切除術は無効なことが多く,また,てんかんなどを起こす欠点があるのでほとんど行われない(図1).
ここでは,現在有効とされている手術の適応とその効果について項目別に述べる.
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