褥瘡の病理・予防・治療・3
原因,特に物理的持続圧迫以外のもの
木村 哲彦
1
1国立身体障害センター整形外科
pp.391-394
発行日 1975年4月1日
Published Date 1975/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917228
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褥瘡の原因,褥瘡は圧迫のみによって出来るものではない.主な原因となる圧迫に関しては,既に先月号で突出部分と体圧分布の関係を基本にして述べた.その他のいわゆる副的な因子についても,常に注意を怠ってはならないものばかりである.そもそも,褥瘡の出来やすい身体的な状態があるとすれば,それ自体で十分褥瘡発生原因の副的な因子である.
身体的な状態に加えて,局所における細菌の感染は組織の壊死を促進させるものであり,最初は褥瘡の状態でなくても,2次的には全く1次性の褥瘡と同じ状態にしてしまうものである.物理的な外傷も,化学的な損傷なども直接的には褥瘡とは無関係のように見受けられるが,これらもやはり2次的に潰瘍をつくる原因となり,更に組織内の外傷は血腫や嚢腫様変化を起こさせるもので2次的に褥瘡に変化する.
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