特集 小児の入院と成長・発達
小児の入院環境と看護—将来への展望
吉武 香代子
1
1弘前大学教育学部・看護学科教室
pp.897-902
発行日 1975年9月1日
Published Date 1975/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917327
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小児の看護とは,決して病院のみで行われるものではなく,まして入院している小児のみを対象とするものでないことは,今更いうまでもないことである.入院する小児は,健康を障害された小児の中でもごく一部であり,まして本来健康であるべき全体の小児の中では,ほんのひと握りの数であるに違いないと思われる.しかし入院ということは,小児にとっては一大事件であり,入院の原因となった疾患の治療処置の苦痛に加えて,入院することによって,いろいろな意味で傷つく条件を数多くそろえている.不幸な事件である‘入院’の弊害をできるだけ小さくしてやることは,病院における小児看護の重要な役割であり,ここでは小児看護を入院している小児だけに限定し,小児の入院環境を中心に,主として将来への展望を考えてみたい.
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