加齢と婦人科疾患・4
思春期(2)—とくに月経異常について
鈴木 秋悦
1
1慶応義塾大学医学部・産婦人科学教室
pp.823-826
発行日 1975年8月1日
Published Date 1975/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917313
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月経周期の発来と正常月経
思春期が近づくと,脳下垂体前葉から性腺刺激ホルモンが分泌され,卵巣は,このホルモンの作用を受けて活発に活動し始めることは前稿でも述べたが,具体的には,卵胞刺激ホルモンの作用で卵胞は発育し,エストロゲンを分泌させ,エストロゲンは第2次性徴を形成し,また,子宮とか膣壁に作用,とくに子宮内膜の増殖性変化をもたらすことになる(図1)
卵胞の発育とともに,卵胞内で生まれてから思春期までの長い間,休止期にとどまっていた卵子は,成熟分裂に入る.また,さらにもう1つの性腺刺激ホルモンである黄体形成ホルモンが,脳下垂体前葉から分泌され,発育した卵胞から卵子を排出,すなわち,排卵を起こすことになる.
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