ベッドサイドの看護
巨大結腸症の患者の看護
秋月 京子
1
,
新野 温子
1
,
大庭 三枝
1
1県西部浜松医療センター外科病棟
pp.374-376
発行日 1975年4月1日
Published Date 1975/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917224
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はじめに
イレウスの原因には機械的なものと機能的なものとがあり,その病態もさまざまである.とくに腸管の癒着により生ずる癒着性イレウスや,先天的腸管の通過障害によるイレウスでは,強度の便秘など慢性イレウス症状が長期に及ぶ.そのために起こる精神的苦痛は,患者の性格や社会的能力にも影響を及ぼす.
私たちは今回極めてまれな,36歳の成人にみられた巨大結腸症の事例を経験し,術後予測される問題点をチェックし,手術に対する理解を深めると同時に,合併症の予防に努め,短期間で正常の排便機能を有するに至った.また乳児期からの疾患のためか,徐々に内向的になっていった患者が,入院中に比較的積極的に話し合えるようになり,しかも将来に希望をもつことができ,予想以上の好結果を得たので,報告する.
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