カラーグラフ 臨床病理シリーズ・28
先天性巨大結腸症の診断
佐伯 守洋
1
,
秋山 洋
1
,
清水 興一
2
,
森川 康英
3
1国立小児病院外科
2国立小児病院検査科病理
3慶応義塾大学外科
pp.1376-1377
発行日 1974年12月20日
Published Date 1974/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206149
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先天性巨大結腸症(Hirschsprung病,aganglionosis)は,腸管に分布する壁在神経節細胞の欠如が病変の本態であり,診断の確定は病理組織学的検索によつてなされるものである.術前診断法としては,近年,従来より行なわれてきたレ線学的検査および直腸生検に加え,肛門内圧測定或はアセチルコリンエステラーゼ(Ach E)等の酵素活性を検する組織化学的検索がとり上げられるようになり,極めて有用な検査法として認識されてきている.
胎便の排泄遅延,腹満,嘔吐等を主訴とする患児には,まず腹部単純レ線撮影を行ない,第1図の如く腸管全体のビマン性ガス像,拡張結腸像,直腸内ガスの欠如,等の所見が認められれば本症を疑い注腸造影を行なう.
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