手術手技 乳幼児の手術手技・3
先天性巨大結腸症に対するDuhamel手術
森田 建
1
,
富永 幹洋
1
,
東 悦雄
1
1日大医学部若林外科
pp.503-508
発行日 1966年4月20日
Published Date 1966/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203945
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はじめに
先天性巨大結腸症の根治手術として,Swenson手術が最も根治的で秀れた方法であることはすでに広く認められているところであるが,その手術手技は必ずしも容易なものではなく,細心の注意の下に繊細巧ちな手技によつて初めて種々な合併症を避けうることもまたよく知られている事実であり,State, Rehbein, Duhamel, Soaveらによつてつぎつぎと新しい術式が考案されている所以である.
なかでもDuhamel術式は,Swenson手術に代る最も有望な方法として内外ともに広く試みられる傾向にありGrob, Martinなどの変法も提唱されている.私どもの教室においても昭和37年以来,Duhamel術式を試み,現在までに30例の経験を重ねている.いまだ遠隔成績を論ずる段階には達していないが,現在までの観察では術後の排便機能は比較的良好でり.ことに手術手技上Swenson手術に比較して明らかに容易であることは本術式の大きな利点と考えている.Swenson手術についてはすでに多くの報告があるので,ここでは紹介の少ないDuhamel術式を取挙げ,私どもの現在実施しているところに従つて述べてみることにしたい.
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