ベッドサイドの看護
安らかな死への援助—一老婦人の胃切除から死まで
松井 恵美子
1
1済生会京都府病院内科
pp.1062-1065
発行日 1974年11月1日
Published Date 1974/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917117
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I.はじめに
死を間近にした患者に対し,看護婦として何ができるか.臨床に働く看護婦にとっては,常に心に掛かる問題であり,臨終の場に遭遇する度に,もっと何かなすべきことがあったのではないかと反省させられる.
何もできない自分自身のままで死の前に立って,1人1人の人生の最後を見送ることが死への看護の根本であるともいわれるが,現実には死が間近に迫った患者のベッドサイドに立つことは非常な努力が必要であり,ともすれば逃げ腰になってしまうのが実情である.
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