カラーグラフ 終える命 つなぐいのち・第12回
老老介護支える連携
國森 康弘
pp.219-223
発行日 2016年3月15日
Published Date 2016/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200410
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わたし、このおじいさん、ひとりで看る自信ないわぁ」。疲れた表情で妻の道子さんは、つぶやいた。夫の秀山さんは、滋賀県東近江市の永源寺地域にあるお寺の住職さん。認知症が深まってあちこち歩き回っていたのが家族には大変だったが、近ごろではそれもなくなり、寝ていることが多くなった。代わって、褥瘡ができ、誤嚥の可能性も高まっていった。
「ヘルパーさんにしょっちゅう家に来てもらうのは苦手。いっそ、病院か施設に入ってもらったほうが……」と道子さん。一方、毎日のように秀山さんが、ショートステイやデイサービスに通っていた施設は、「食事が半分も食べられなくなったら、うちでは預かれない」との反応だった。
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