2色ページ ホメオステーシス入門・8
体液のホメオステーシス—血糖の調節
畠山 一平
1
1北里大学医学部生物物理学
pp.886-889
発行日 1974年8月1日
Published Date 1974/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917083
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体液の生体調節系における意義
今回から個々の特殊機能について,その調節機序という観点から,ホメオステーシスの実体を考えてみることにする.個々の要素に分解できないことこそ,生体の生体であるゆえんであるといえるし,また重要なものに限っても取り上げるべき項目があまりにも多いので,ここでは代表例というよりも,ホメオステーシスを理解するのに適当であると思われる例を選ぶことにした.
今回は体液の調節を取り上げる.フランスの生理学者Claude Bernard(クロード・ベルナール,1813-78)は,その著“実験医学序説”(1865年刊)において,生命現象は生きた細胞とその周りの生理的内界との接触そのものであると述べているが,体液こそ,この内界にほかならない.
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