Japanese
English
特集 ホメオスタシスと腎臓
序文
腎とホメオスタシス:水電解質調節のキープレーヤー
Kidney and homeostasis now and then:as key players in regulation of water and electrolytes
河原 克雅
1,2,3
,
関野 慎
4
KAWAHARA Katsumasa
1,2,3
,
SEKINO Makoto
4
1座間総合病院
2福島県立医科大学・細胞統合生理学
3北里大学
4宏人会 中央クリニック
キーワード:
内部環境(milieu intérieur)
,
血液循環
,
糸球体濾過
,
自律神経
Keyword:
内部環境(milieu intérieur)
,
血液循環
,
糸球体濾過
,
自律神経
pp.571-574
発行日 2023年11月25日
Published Date 2023/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000943
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はじめに
健康な人が,サハラ砂漠や南極大陸に行き,また沖縄の海に潜ることができるのは,われわれの身体を構成する細胞(40~60兆個)の生存環境が,自身の周囲(外部環境)ではなく,至適状態に保たれた細胞外液〔内部環境(milieu intérieur),C. Bernard(1813-1878)1)〕だからだ。このおよそ70年後,米国の生理学者W. B. Cannon(1871-1945)は,動物の身体に内在する脳神経系,心臓,肺,腎臓,膵臓などが協調的に働き,“細胞外液(生存環境)の至適状態を自律的に維持する機構” をhomeostasis(ホメオスタシス)と名付けた2)。このことにより,Bernardが定義した多細胞生物体における “内部環境とその自律的制御機構” の重要性と意義が万人に理解され,一躍世界に広まった。
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