2色ページ ホメオステーシス入門・6
多重ループ構造としての生体調節系—単純並列結合
畠山 一平
1
1北里大学医学部生物物理学
pp.680-683
発行日 1974年6月1日
Published Date 1974/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917041
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多重ループ構造としての生体調節機構
前回までの解説では,複雑な生体調節の仕組みをできる限り単純化して理解しやすいように努めた.少なくとも単純な系では純物理的な意味の自己平衡性においても,また神経系を介する反射調節においても,そこに閉ループ構造が存在していることを理解していただけたと思うが,現実の生体では無数といってもよいほどの閉ループが複雑にからみ合つているので,単一ループと同じ考え方がそのまま当てはまるわけではない.
しかし,このような多重ループ構造の解析は人工の機械であっても一筋なわでは実行できず,ましてや,最も複雑な人工機械さえ足許に及ばぬほどの生体系をそのまま,まともに取り上げることは無謀に近いかに見える.それでもわれわれはこの問題に正面切って取り組まねばならない.
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