2色ページ 性格の異常・3
‘異常’の成り立ちについて(1)
浜田 晋
1,2
1東京都立松沢病院
2東京都立精神衛生センター
pp.684-686
発行日 1974年6月1日
Published Date 1974/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917042
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‘異常性’のとらえ方に2つの方向性があります.1つは現在現れている異常性を,正常と比べながら,ありのまま観察し記録し,そこからあるタイプを抽出しレッテルをはるというやり方です.‘気が小さい人’‘ふさぎこんだ人’‘明るい人’‘不機嫌な人’‘なまけ者’‘冷たい人’‘くどい人’‘うそつき’‘ひねくれ者’など,色々な性格の類型が挙げられます.
もっとも,人間は決してその人だけに備わった一定の性格—同じ顔—を持っているのではなくて,周りの状況や他人との関係の中で,いろいろな現れ方をするものです.ある人についてどんな人柄なのかを,色々な人に聞いてみると,それらはまるで違った受け取り方をされていることに驚かされます.
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