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家庭看護と職業的看護
波多野 梗子
1
1日本女子体育大学
pp.1388-1395
発行日 1973年11月1日
Published Date 1973/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916798
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家庭看護とは
家庭看護とはいったいなんであろうか.狭義にいえば,家庭内の人々(一般には血縁関係にある)が,お互いに病気で困っている際に援助することであろう.たとえば,急に病気になったときの救急看護や,病気で日常生活に支障があるときに援助してあげることが含まれる.家族が苦しんでいれば,少しでもそれを軽くするよう,素人でもできるような簡単な援助をするのが普通であろう.
しかし,このように病人が出たときの家族の看護という考え方だけでは狭すぎる.家族の中から病人が出ないように,ふだんから家族員全員が相互に健康管理を行うことも,家庭看護のひとつである.また将来健康な生活を営めるように,学校での保健教育だけでなく,個人の日常生活習慣の中でそれを身につけさせる,家庭での健康教育も必要であろう.病人が出た場合にも,日常生活上での援助だけでなく,適切な医療機関を選択し,適切な時に適切な方法で利用させたり,医療機関で出された指示を正確に守らせるように助けたりすることも家族の看護のひとつに含まれよう.
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