連載 医学と文明・4
食生活の社会学
水野 肇
pp.518-522
発行日 1973年4月1日
Published Date 1973/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916630
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現代人は食べ過ぎか
私たちは‘文明’というと,きわめて科学的で正しいものと思いがちである.少なくとも,学校でそのように教えられて育ってきた.だから,文明の利器には,簡単に飛びつきやすい,自動車だってそうだし,生活のなかには文明の利器がはいり込んできている.はいり込んでいるというより,むしろ文明の利器がどっかとあぐらをかいてすわり込んでいる,といったほうがいいぐらいである.
これらのなかには,いくつも問題となるものがあるが,なかでも,一般にはあまり気づかれていないが,実は重要ではないかと思うものに‘食事’にまつわるいろいろの問題があるのではないかと考える.少し極端で,どぎつい言い方をするならば,現在の食生活の大半はあやまっているのではないかという発想も成り立つのではなかろうか.
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