2色ページ ライフサイエンス入門・4
生理学者のみた生命
内薗 耕二
1
1東京大学医学部生理学教室
pp.494-496
発行日 1973年4月1日
Published Date 1973/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916626
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
生命の考え方
生命のとらえ方は人により,時代によりいろいろ変わりうるものである.物質的な生命観もあれば,精神的,宗教的,哲学的生命観も成立する.科学的生命観にもいろいろの変遷があったし,これからもまた,多くの考え方が提出されると思われる.しかし総じて科学的生命観では,大昔の不可知的生命観からきわめて即物的な物質的生命観へとうつってきているように思われる.
しかしいずれにしても生命を考える際に,我々は常にこれと対置して死を考えている.生あっての死であり,死あっての生命である。この2つは実はものごとの一面を語っているに過ぎないのである.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.