運動生理学者の立場から -―女性アスリートのコンディション評価と対策―

From the exercise physiologist’s perspective；physical condition assessment and recovery strategies for female athletes

要旨：アスリートのコンディションは，外的負荷（EL）と内的負荷（IL）についてそれぞれ主観的，客観的な指標を用いて評価することができる。女性アスリートの場合，トレーニング負荷に対する各コンディション評価指標の反応に加え，月経周期の時期やホルモン剤の服用の有無，種類について把握することは必須である。卵巣ホルモンの特性に対して，ILの客観的評価に用いられる心拍数や心拍変動，免疫指標や睡眠評価指標の反応は様々である。トレーニングピリオダイゼーションを考慮しながら各指標から総合的にコンディションを評価し，疲労やオーバーリーチングの徴候が確認された場合には，トレーニング量や強度の調整や月経周期を考慮したリカバリー戦略が必要である。