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私の母校の敷地内に「学者如登山」と刻まれた碑があります.「学ぶ者,山へ登る如し」と読むこの言葉は,山形県出身の結城豊太郎の書で知られ,語源は後漢の時代に記された書物にあるそうです.「自分のものになった学びは自分を高いところへ連れて行ってくれる」「学べば学ぶほど,だんだんと視野(見識)が広くなってくる」と解釈できます.学問だけでなく,スポーツやあらゆる職種での技術習得,人間形成においても同じことが言えると思います.しかし,学問はどんな分野でも奥深く,いくら学んでも極めることは困難です.山の頂上は限りなく高く,頂上に辿り着いたと思ったら,尾根続きにもっと高い山々が連なっていた.といったところでしょうか.
医学に裏打ちされた医療を展開するために,学問はとても重要です.現在,日本リハビリテーション医学会は教育に力を入れており,私は学術担当の特任理事を務めさせていただいております.昨年は,新しい専門医制度のスタートに合わせてコアテキストを発刊しました.本年は,統一されていなかった用語がリハビリテーション医学・医療用語集 第8版で整理されました.また,2018年に日本リハビリテーション医学教育推進機構(http://jrmec.or.jp/)が設立されました.文字通り,リハビリテーション医学医療に関する教育を推進することが主な目的であり,関連する各学会や職能団体など23の社員団体で構成されています.久保俊一先生が理事長を務められ,国立京都国際会館内に事務局が開設されています.具体的な取り組みとして,急性期・回復期・生活期リハビリテーション医学医療のテキストや,e-leaningコンテンツなどの教材を日本リハビリテーション医学会と連携して作成中であるほか,研修会の企画運営を行っています.本年8月には関連専門職を対象とした研修会を開催し,500名の参加者がありました.私は本機構でも理事として,これらの学術振興に尽力しております.
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