2色ページ ナース臨床検査・9
白血病と臨床検査
寺田 秀夫
1,2
1聖路加国際病院内科
2臨床病理科
pp.490-493
発行日 1973年4月1日
Published Date 1973/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916625
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はじめに
毎日の診療のなかでしばしば経験する血液病の1つとして,白血病がまずあげられる.白血病は初めから手術もできず,悲惨な経過をとり死亡する腫瘍であるとされ,白血病と診断されること,すなわち死の宣告を意味するとされている.
しかし白血病の治療は近年著しく進歩し,慢性白血病はもちろん,治療がもっとも困難な急性骨髄性白血病でも,約半数は一度は緩解をみるようになり,この緩解期間中は勤務,通学,家庭生活がほぼ普通にできる時代になった.また小児白血病では完全寛解に達しない例がむしろ少ない.白血病がどうして起こるかということは,まだわからず,ウイルス,放射能,薬剤その他いろいろのものがあげられているが,人の白血病の真の原因は未だ不明である.
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