ベッドサイドの看護
食事療法の実践
中西 廣子
1
1天理よろず相談所病院循環器内科病棟
pp.999-1003
発行日 1972年8月1日
Published Date 1972/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916401
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人間にとって食物をおいしく,好きな物を好きな時に食べることができない状態ほど,悲劇的なことはない.
古人いわく“人の一生の間に食べる量は決まっている”という考えでいくと,若い時の健啖家が,初老期に病いにおかされ食物がノドを通過しなくなった時,その人の生涯に食べつくす食糧がきれたためだと,静観する人は誰もいないのではないかと思われる.生きることをあきらめた人に食べさせることのむずかしさ,食欲のない人や摂取量の少ない人にすすめる努力と根気,治療食を守ってもらう苦労は,臨床看護婦の毎日の泣かせどころと言えよう.
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