目指せ!肥満症のトータルケア-減量に苦戦する患者について考える 肥満の治療
食事療法
田中 明
1
1女子栄養大学栄養クリニック
キーワード:
食事療法
,
肥満
,
臨床試験
,
栄養士
,
栄養指導
,
特定保健用食品
,
低炭水化物食
Keyword:
Clinical Trials as Topic
,
Diet Therapy
,
Obesity
,
Diet, Carbohydrate-Restricted
,
Nutritionists
pp.69-73
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016089666
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低炭水化物食の減量効果に対する有用性を示すエビデンスが報告されているが,効果は2年未満に限られており,脂質エネルギー摂取比率の増加による冠動脈疾患リスク上昇,臨床試験の脱落率が高いなどの問題点がある.冠動脈疾患リスク上昇,食事療法の継続性,日本人の嗜好を考えると,現在のところ炭水化物エネルギー摂取比率は50~60%が妥当と考える.特定保健用食品(トクホ)や栄養機能食品は,疾患への影響がなければ,患者の使用を認めてもよい.機能性表示食品は,安全性・機能性の根拠が十分でないとの意見もあり,患者の使用については検討が必要である.肥満の食事療法では,管理栄養士による繰り返しの栄養指導,肥満関連遺伝子多型測定による治療の動機付けが有用である.
©Nankodo Co., Ltd., 2016