看護のための集団力学入門・1
人間関係と集団
岡堂 哲雄
1,2
1聖路加看護大学
2お茶の水女子大学家族関係学教室
pp.508-514
発行日 1972年4月1日
Published Date 1972/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916300
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はじめに
日本的な人間関係のなかで
看護婦が患者を援助するという仕事に成功するかどうかは,よい人間関係をつくりあげる力をもつかどうかにかかっていると言われる.患者との人間関係だけでなく,医師をはじめ医療従事者との間柄がよければ,看護婦はその仕事にいっそう満足し,一段と幸福を感ずるものだと教えられる.家庭においては,夫婦の関係,親子の関係のあり方こそ幸福の条件だと賢い人はいう.また,隣近所を大切にしないと陰口を言われるし,留守をするとき不便である.しかし親しくしすぎると面倒だ.だから,つきあいは即かず離れず(不即不離)がよいともいわれる.まことに人間同士の関係についての世間の英知はさまざまな形をとって現われる.
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