看護のための集団力学入門・6
集団維持への圧力
岡堂 哲雄
1
1聖路加看護大学
pp.1158-1165
発行日 1972年9月1日
Published Date 1972/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916431
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集団の掟に従うこと
人びとが集い,グループを作ると,その維持や発展のためには,きまりや掟が設けられる.集団の掟には、はっきりした目的のもとに意識的に成文化されるものから,暗黙の了解という形のものまで,さまざまな形式や内容のものがある.
たとえば,社会内部で一般的な価値規準に対して反逆しようという集団にあっては,その掟はひときわきびしいものとなりやすい.仲間がきめた掟に違反したと思われるときには,その違反分子を殺害するということさえ行なってしまうことがある.浅間山荘事件によって明るみに出された新左翼過激派集団の私刑は,14名の仲間に対して総括または死刑の名のもとに行なわれた殺人であった.
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