特別寄稿
看護学と人間学の発展のために—薄井坦子氏の批判に応えて
千葉 康則
1
1法政大学
pp.79-82
発行日 1971年5月1日
Published Date 1971/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916029
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まず,薄井坦子氏の「“看護を科学に”とはどういうことか—千葉式人間科学論批判」(綜合看護 Vol. 6 No. 1,1971,現代社)という文章を一読することをおすすめする。というのは,私がこれから書く小文のなかにはこの薄井氏の文を多く引用するからなのだが,その文章は情熱的で一気に読破してしまうこと請合いである。
さて私が看護人間科学論なるものを提唱してからすてに6年になるが,この部外者の単なる試論に看護界の多くの方が目をとめてくれたことは身にあまる光栄であるし,同時に,多くの批判を受けたことも私にとっては大きなはげみであった。そうして,それらの批判に対しては機会あるごとにお答えし,また,それ以上に,私の至らぬ点を修正し,補足するために努力しているつもりである。しかし,批判に対して答えるために特にペンを執るのは今回がはじめてである。
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