Nursing Study
精神科看護における看護者の認知/講評根拠をうらづける説明を
峰松 修
1
,
中野 隆子
1
,
元田 克己
1
,
松隈 守夫
1
,
北村 豊子
1
1聖ルチア病院
pp.98-102
発行日 1970年8月1日
Published Date 1970/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914985
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精神科看護の特徴をとらえるために,精神科勤務の看護者群,および精神科以外の科に勤務している看護者群の精神科看護に対する認知をSD法による意見調査票と看護態度質問票によって調べた。その結果は次のようになった。
(1)精神科勤務の看護者のなかでも,指導的地位につき経験の豊かなものは,そうでない看護者にくらべて,明るく,積極的で肯定的なみかたを精神科看護に対してもっている。
(2)精神科に勤務したことがなく,現在も精神科以外の科に勤務している看護者は,とくに一貫した傾向は認められないが,精神科勤務の看護者のうち,熟練度の低い人びとの傾向の特徴を多くもっている。
(3)そのずれは,“看護の一般的困難度”“看護における看護者の自由裁最度”“看護態度の患者への影響度”などの質問によってもはかられたが,精神科とその他の看護者間では,それらの事柄に対する認知の差があることが,明らかにされた。すなわち,精神科看護のほうがむずかしく,臨機応変な自由裁量の必要性がみとめられた。また,精神科の看護経験が豊富になればなるほど,看護者自身の看護態度へのsensitivityが高くなっていく傾向がある。
これらの結果から,精神科における看護者の教育,再教育が再考されなければならないという考察がなされた。
最後に,聖ルチア病院長柴田出先生のご助言を感謝いたします。
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