Nursing Study
小児の入院中の情緒反応を主とする考察/講評 実践的体系的研究をのぞむ
田辺 弘子
1
,
木村 五惠
1
,
黒川 桂子
1
,
関 サチ
1
,
吉沢 正江
1
,
高野 さよ子
1
,
関谷 ふみ
1
,
橋本 栄子
1
,
今泉 愛子
1
1東大分院小児科
pp.91-99
発行日 1970年6月1日
Published Date 1970/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914920
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I.緒言
日夜目ざましい進歩をとげてきたという医学界において,国立大学医学部付属病院の小児病棟では,いわゆる完全看護制度という管理方式が普及されている。しかし完全看護は,小児ではいくつかの困難な問題が生じている。看護婦数の手不足,ことに家族依存性の強いわが国の小児にとって,入院で受ける心理的影響も大きいのである。
こんななかで,小児の入院中に示すさまざまの反応は単に身体的な疾患のみならず,その表面に出てくる反応については,より多角的に心理的な面より探求していかねばならないのである。当科ではこのような観点から,以前小児の入院における順応に関する研究報告を行なったが,今回は当科に入院した小児が示すさまざまの情緒反応について,比較的系統的に追求し得た症例についての知見を述べたいと考える。
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